生麺から蒸して、焼いて、完璧なまでの下準備こそ、達人技の秘訣!/江部拓弥さん推し「中国料理 梅林」

文・写真 熊谷真菜(日本コナモン協会)

プレジデント社の「dancyu」編集長の頃から、やきそば愛にあふれていた江部さん。
最近は「あまから手帖」編集長として関西でもひっぱり蛸。
今日は東京、五反田の中国料理「梅林」さんのやきそばを推薦してくださいました。

右から)  やきそばの達人 小島さん、江部さん、熊谷

1968年、中華の名店で修業された小島幸正さんが、独立にあたって師匠に名付けてもらったという「梅林」を息子の一幸さんがしっかり受け継いでおられます。
「菜譜」には、白菜のクリーム煮から点心類、ふかひれ、あわびまであり、ランチから会食までいろんなシーンで中国料理が楽しめます。
たとえば前菜の「きゅうり鶏」は、ムネ肉の柔らかさはもちろん、きゅうりの皮がむいてあり、王道中華の風格に大感激!

きゅうり鶏 小1000円 大2000円

達人の推し麺 肉ソース焼きそば 980円

さらに凄いのは、40種近くある麺類。
セロリそば、たんめん、わんたんめん・・毎日通っても飽きないでしょう。
そのなかに焼きそばだけで、なんと16種。選ぶのに迷います。
が、江部さんがいつも注文するは、「肉ソース焼きそば」!
さっそく厨房に入らせていただいて拝見すると、下ごしらえも完璧な豚肉と、野菜が用意されていました。豚はすでに火が通っていて、このまま食べたいくらい、おいしそうです。

推し麺ポイント

主役の麺は、新潟から取り寄せた生麺を蒸して、焼き目がつくくらいに炒めるという、完璧な下ごしらえ。仕上げの鍋で、具材とソースが麺に出合います!
一幸さんは中華鍋に火をつけて、まず野菜を炒め、だしを加え、麺、ソースを投入、あとは40秒ほど炒める瞬間技。

下ごしらえにかける時間とは真逆で、あっという間の仕上げは、これぞ王道中華! 
その真髄を見せて頂くことができました。

要チェック

生麺から蒸して、焼いて、完璧なまでの下準備こそ、達人技の秘訣!の解説動画↓

一見ひかえめなソースですが、酸味と甘味のバランスが絶妙で、その味付けは、麺の香ばしさを引き立てるためなんだと、あとで気づきました。プリプリの豚肉とともにほおばると、もうお箸がとまらなくなります。
実は梅林さんの焼きそば、一皿に2人前くらいの麺が入っていて、大盛り、山盛りでも有名なんですが、でも一人でペロリといけちゃう見事な美味しさ。
達人、江部さんが気に入っておられるのも納得です。

中国料理 梅林

東京都品川区五反田1-24-1
TEL.03-3473-2005

やきそばの達人/江部拓弥(えべたくや)さん Profile

新潟市三条市出身。
本を編んだり、文章を書いたり、いっぱい呑んだり、たらふく食べる日々。
阪神タイガースを愛して47年、大阪生活がスタートしたシーズンで、タイガースが日本一に。ベースボールと、ロックン・ロールと、小泉今日子さんを愛する。