特注麺に旨み軍団が総進撃/小野瀬雅生さん推し「うるおいてい」

文・写真 熊谷真菜(日本コナモン協会)

曇りなのであきらめていたんですが、富士山がくっきり見え、とても有難い富士宮訪問となりました!

この町を流れる潤川に掛かるうるおいばしのたもと、創業30年の「うるおいてい本店」。
川沿いの並木も美しく、外で待つのも快適なロケーション。鉄工所経営の高野社長のやきそば好きが高じて生まれたお店なので、ユニークなアイデアがいっぱい。店内はお座敷なので、靴をぬいで鉄板テーブルに着きました。

大きな紙ナプキンをテーブルに半分おいて、そこに箸とお皿がのります。
焼きはじめたら、ナプキンの半分で洋服をガードしながら鉄板を見つめるしかけ。メニューも種類がいっぱいで迷います。

昔ながらの鉄板テーブルで、お店の方が丁寧に焼きあげてくださるスタイル。これって、いまでは珍しいですが、どこのお好み焼さんにもよく見られた光景なんです。懐かしい!
店長は手早く、まずラードを鉄板にひいて、器の底にスプーンで音をたてながら混ぜていきます。ざく切りキャベツに生地がいきわたると、全体を合わせながら鉄板のうえにおいて、周りを整えます。混ぜ焼きのお好み焼はここまででおいしさの7割が決まると言われるくらい大事な作業を拝見できました。

富士の雅ネギ使用 富士宮ネぎネぎ 1280円
五目天お好焼 820円

【達人の推し麺】うるおい焼そば 930円(3人前)

そしていよいよ主役の焼そば!
富士宮にある4社の製麺所の麺を使うことが、富士宮やきそばの定義の一つですが、その1社に専用麺を作ってもらってるそう。国産小麦の特注の蒸し麺で、色付けのクチナシを入れてないので優しい色合いを手前におき、えび、いか、豚、キャベツなどを中央で焼いていきます。火が通った具材のうえに麺をおいて、そこに水をかけて蒸していきます。蒸気のジュワーッという湯気音のなか、麺と具材を合わせる焼き技。

3人前というボリュームをこの空間で焼きあげるのは、相当熟練でないと難しいと思います。でもこの倍は焼けるそうで、きっと倍あっても私たちはペロリでしょう。
5分くらい焼いて、ソースをかけていきます。8種類のブレンドソースを2~3回に分けて、しっかりなじませていきます。もう食べられるかな・・と思った矢先、麺をもんじゃのように土手ドーナツに。真ん中に全卵3個を流し、しばらく待ちです。

【要チェック】特注麺に旨み軍団が総進撃!の解説動画↓

その間、お好み焼の仕上げに、長芋や鰹節、醤油ダレなどトッピング、富士宮の青ネギがたっぷりのねぎ焼きも、ソース味のミックスのお好焼きもふっくらふんわり、そしてジューシー。まずはお好み焼2種を食べて、一同大満足。
そして焼きそばの卵3個に麺をかぶせてドーム状に。丁寧に周囲を整え、青のり、イワシの魚粉をたっぷりかけて、紅しょうがで完成!!

推し麺ポイント

目前の焼そば技からうまさ爆発! 卵をまとった専用麺はどこを食べてもウマウマウー!!

熟々卵のところと、そうでない部分で麺の状態もちがうので、どこを食べるか、どこに当たるかお楽しみ!
卵によってマイルド&ジューシー、のど越し最高かつ、鉄板のよく焼けたパリパリ麺も味わえる、まさにエンターテインメントな富士宮やきそばでした。

うるおいてい

〒418-0051 静岡県富士宮市淀師415-2
TEL.0544-24-7155

やきそばの達人/小野瀬雅生さんのProfile

1962年11月14日・横浜出身・O型
クレイジーケンバンドのリードギタリスト。通称”のっさん”。緩急自在なギタープレイで“ハマのギター大魔神”の異名をとる。自ら率いるバンド、小野瀬雅生ショウではロックサウンドを追求しリードヴォーカルも疲労する。本牧のレジェンドCHIBOW率いるSKA9にもギタリストとして参加。ソロやデュオなどの演奏形態でも全国各地で精力的に活動している。
高級・B級問わぬ食べ歩き家としても知られ、焼きそばに関しては本を出すほどの精通ぶり。自身のBLOGには膨大な食の記録が掲載され、ファンからグルメガイド的に重宝されている。
横浜DeNAベイスターズの熱烈ファンであり、無類の野球マニア。特撮やアニメなどにも造詣が深く、怪獣博士である。